2022年20冊目
精神科医が見つけた3つの幸福 樺沢紫苑著
幸せとは何か?
このつかみどころのない問いは太古の昔よりずっと人類普遍のテーマであった。
著者の樺沢紫苑さんはそこに精神科医としての知見と脳科学で切り込み、幸せになる実世的な手法を編み出した。それを紹介し、解説しているのが本書である。
〇幸福とは「脳内物質」だった!
本の冒頭で著者は幸福を具体的に定義している。
それによると、
「幸福とは幸せを感じる脳内物質が出ている状態」
とのことだ。
ではその物質とは何か?
本来は百種類を越えるとのことだが、ここでは研究が進んでいて自分でコントロール可能な3つに絞る。
その3つの物質とそれぞれの担う幸福とは
a. セロトニン→健康的幸福
b. オキシトシン→つながりの幸福
c. ドーパミン→お金、成功の幸福
である。
次回以降でそれぞれの幸福を手に入れる方法を解説していく。
〇セロトニン的幸福
セロトニンは健康的幸福を担う脳内物質である。
3つの幸福の一番ベースとなるものだ。
セロトニンが分泌されると、
- リラックスする
- ホッとする
- 安心・安らぎが得られる
- 癒される
といった効果がある。
雑念がなく集中している状態で修行僧が座禅している状態で得られる幸福感とも言われている。
逆にセロトニンが低下するとどうなるか?
不安が増して、端的に言えば「うつ病」である。
うつ病の状態ではセロトニンが極端に低下している。
- 気分が暗い
- 憂鬱
- 何もしたくない
- 人と会いたくない
といった気分になる。
感情のコントロールも利かなくなるので「キレやすく」なる。
〇オキシトシン的幸福
オキシトシンはつながりによる安心感、誰かと一緒にいて安らぐ、癒される感覚が得られる。
セロトニン的幸福の上に成り立つ二段階目の幸福だ。
僕たちの人間関係がそのままつながってくるのがオキシトシン的幸福である。
具体的には
- 安心
- 安らぎ
- 癒し
といった感覚が得られる。
〇孤独・孤立は健康を壊す
オキシトシン的幸福が無くなるのは孤独・孤立である。
- 家族がいない
- パートナーがいない
という状態は結果として寂しさや疎外感につながる。
職場での成功のようにドーパミン的幸福も、周囲の人間関係のようにそのベースにオキシトシン的幸福があってこそ得られるものである。
〇ドーパミン的幸福の光と闇
ドーパミンは「自己成長物質」である。
その光の部分は以下の通り。
何かを頑張って成果を出したときに得られる幸福感、これがドーパミンによるものだ。
この幸福感があると、よりよくを目指しさらに努力を重ねることが出来る。
またドーパミンは「学習物質出もある」
ドーパミンによって記憶力、生産性、モチベーションがあがり、学習効率を大幅にアップしてくれる。
次に闇の部分。
ドーパミンは「もっと、もっと」の物質である。
ドーパミンによる幸福には強烈な副作用がある。
まず、ドーパミン的幸福には「依存症」がある。
なぜならドーパミン的幸福は「安く」「簡単に」手に入ってしまうから。
残念ながら人間は同じ快楽がてにはいるなら必死こいて努力するより「簡単」「楽」に流れやすいのだ。
例として「お酒」がある。
スーパーやコンビニに行けば、300円足らずで缶ビールが買える。
この欲求が暴走するとアルコール依存症になる。
これは良い悪いではなく人生をよりよく生きるために上手にコントロールせよ、ということだ。
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