いのちの停車場

2022年15冊目

いのちの停車場

 

東京から金沢に帰郷した元救急救命医が在宅医療の現場で奮闘するお話。

在宅で家族を看取るお話し。

 

 病院で死んでいくのが当たり前のようになった今、在宅で人生の最後を送る流れがある。

 無機質な病院や治療室ではなく住み慣れた自宅で最期を迎える、大正時代や昭和初期は当たり前にあった光景がいままた医療費の削減という理由で復活しているのだ。

 

 

 

 読んでいて4年前に亡くなったじいちゃんとばあちゃんを思い出した。

 100歳になるまでずっと自宅で暮らしていた。

 じいちゃんは最期は病院で亡くなったが、ばあちゃんは最後まで自宅にいた。

 全く人の悪口を言わない、昭和10年代の女学生がそのまま100歳になったような人だった。

 意外なところでは我が家で一番の電子辞書のヘビーユーザーだった。

 100歳になっても知的好奇心旺盛で

「AI(人工知能)て何?」と質問されたこともある。

 形見分けでもらったのがiPadというハイテクなおばあちゃんだった。

 亡くなる1カ月前、中学生のころ(昭和10年代)に親に内緒で喫茶店でケーキを食べた話を昨日のことのように嬉しそうに話していたことを思い出す。

 生前「消えるように静かに逝きたい」と言っていた。その言葉そのままに自宅のベッドの上で母に看取られながら静かに亡くなった。

 

 病院で機械に囲まれながらではなく住み慣れた自宅で望んだ形で臨終出来たばあちゃんは幸せだったと思う。

 

 在宅診療のお世話にもなったな。

 在宅医療専門のどんぐり診療所↓

院長ご挨拶 – どんぐり診療所 (dongri-cl.com)

近所のかかりつけ医がなぜか往診が出来ないというので母が頼ったのがここだったのだ。

 

 こういった人達のお世話になったこともありこのお話は身近にかんじたのかな。

 

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